打球が飛ばない!?【バッティングで飛距離を伸ばす6つの要素】

野球の花形と言えば、やはりホームランですよね。

ホームランを打つためには、当然ですが打球の飛距離が必要です。

飛距離が出ればバッティング練習も楽しくなりますし、その快感からもっと練習してもっと上手くなるという好循環になるでしょう。

しかし、単純にバットのヘッドスピードが早ければ飛距離が出ると思っていませんか?

実は、野球のバッティングはとても奥が深く、ただ単にスイングスピードを上げても飛距離は伸びません。

そこで今回は、バッティングでなかなか飛距離が出ない原因と、飛距離を決める要素について解説していきます。

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バッティングの飛距離が伸びない原因

まずは打球の飛距離が伸びない原因について明らかにしておきましょう。

  • 打球の角度が悪い
  • 打球速度が遅い
  • 打球の回転が良くない
  • タイミングが合っていない

バッティングの飛距離を伸ばそうと思ったら、とりあえずスイングスピードを速くするための練習を繰り返そうと考えるかもしれません。

確かに鋭いスイングが出来れば、打球の速度はアップするでしょう。

打球速度が速いほど飛距離が伸びやすいのは間違いないですからね。

しかし、それだけでは飛距離を伸ばすのには不十分です。

打球角度が重要

その上で重要なのが、打球角度です。

バットがボールに当たったところから水平線上の角度を0°とすると、およそ20から30°の弾道で放たれた打球の飛距離が伸びやすいと言われています。

バッティングで打球の飛距離を伸ばしたい理由としては、やはり長打を打ちたいとかホームランを打ちたいという思いがあるからではないでしょうか?

そこで参考になるのが、「バレルゾーン」と呼ばれる、最も長打になりやすい打球角度と打球速度の組み合わせです。

これによれば、打球速度が速いほどヒットになりやすい打球角度が広がるとされています。

逆に言えば、どんなに打球速度が早くても、バレルゾーンから外れるような打球角度になれば凡打になる確率が高いということです。

弾道が高すぎると、ただのポップフライになってしまいます。

逆に弾道が低すぎれば、内野へのライナーや外野への浅いフライになってしまうでしょう。

ですから、いかに飛びやすい角度で打球に弾道を付けられるかが飛距離において重要な要素になるわけですね。

打球の回転とタイミングも

さらに飛距離に加味されるのが、打球の回転の仕方とタイミングです。

単純に、綺麗なバックスピンで回転量が多い方が伸びる打球が打てます。

そして、最も力の入りやすいミートポイントでインパクト出来れば、打球の飛距離は伸びるわけですね。

ただ、バックスピンをかけようと意識しすぎてボールの下を叩いてしまうと、打球速度が落ちます。

遠くに飛ばそうと思って力むと、かえってバットのヘッドが出てこなくてタイミングが遅れて差し込まれてしまうでしょう。

まとめると

  • 最も力の入るポイントでのミート
  • 打球の適度なバックスピン
  • 20°から30°程度の弾道
  • 速い打球速度

これらのどれかが欠けていると、バッティングで飛距離は出ないということになります。

次の章では、飛距離を出すために必要な6つの要素について、詳しく解説していきましょう。

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バッティングで飛距離を出す6要素

バッティングで飛距離を最大化するためには、6つの要素を押さえておく必要があります。

  1. 力の入るポイントを知る
  2. タイミングを合わせる
  3. バットの軌道をアッパー気味にする
  4. スイングスピード(ヘッドスピード)を高める
  5. 体重を増やす
  6. 正しいバッティングフォームを身に着ける

力の入るポイントを知る

バッティングで大切なのは、自分が最も力が入るポイントでボールをミート出来るかということです。

一般的に、インコースは前の方、アウトコースは後ろの方にポイントを置いて捉えるのがセオリーと言われています。

しかし、西武ライオンズでホームランバッターとして活躍する中村剛也選手のように、アウトコースのボールのポイントを前に置いて思いっきり引っ張る打者もいるわけです。

ティーバッティングやロングティーなどのバッティング練習を繰り返して、自分が最も飛距離が出せるポイントを感覚的に見つけておくことも重要ということですね。

タイミングを合わせる

ポイントがわかったら、ピッチャーの投球フォームにタイミングを合わせることも重要です。

特に試合ではストレートもあれば変化球もあります、配球を読むことや球種を絞って狙うことでタイミングを合いやすくしておきましょう。

また、ピッチャーの投球フォームにはかなり個性があるので、自分の中でタイミングを取るときのルールを決めておくと崩されにくいです。

タイミングが上手く取れないという方は、下の記事もぜひ参考にしてみてください。

 

ポイントは、ピッチャーの投球フォームの中に、自分がスイングを始動する目印を決めておくことです。

ピッチャーによっては、足を高く上げたり二段フォームだったり、ゆったりしたフォームだったりと様々ですよね。

さらに、ランナーの有無によってクイックモーションになることもあります。

そこで、全てのピッチャーに共通する動作を見つけておくことが大切です。

一つ挙げられるのは、「テイクバックのトップからお尻が沈み込む瞬間」があります。

ボールを持った腕を最大までテイクバックした後は、どのピッチャーも体重を前に移動させてリリースに向かうしかありません。

そこにタイミングを合わせて打撃フォームを試行錯誤すれば、投手の交代などに惑わされずに済むでしょう。

自分なりの、タイミングの取り方を模索していきましょう。

アッパースイングする

アッパースイングを考えるときに誤解してはいけないのが、ゴルフのように下から急激に上に振り上げるのではないということです。

あまりのアッパースイングは、ピッチャーが投げるボールの軌道と合わないので、かえって飛距離が出ません。

バッティングフォームでいえば、最初はバットを上の方で構えますよね?

そこから腰付近の高さでスイングをして、再びフォロースルーでバットは上に向かっていきます。

その過程の中で、インパクトに向かう直前だけアッパースイングになっていればいいのです。

ピッチャーが投げるボールで、物理的に浮き上がるボールというのは基本的にはありません。

アンダースローで高めに強烈に伸びるボールを除いては、基本的には重力によってわずかながら沈んでいくはずなのです。

その投球の軌道に対して、平行か若干だけアッパー気味にバットを合わせることが出来れば、飛距離の出る弾道で打球を射出することが出来ます。

昔から言われているような、ダウンスイングでは飛距離が出にくいということですね。

スイングスピードをアップさせる

スイングスピードとは、バットのヘッドが通り過ぎるスピードです。

よく、「ヘッドが走る」という言葉を耳にするかもしれませんが、ヘッドが走っているスイングは鋭いと言えます。

ヘッドを走らせるためには、バットのグリップが身体から離れて遠回してはいけません。

いわゆる「インサイドアウト」という形でスイング出来なければ、ヘッドは走らないのです。

 

また、単純にスイングするための「振る筋力」も無ければスイングスピードは上がってきません。

形だけに囚われるのではなく、スイングの回数を練習からしっかり重ねて、振るための筋力も鍛えておかなければ飛距離は伸びないでしょう。

よく、ボールの反発力の観点から、「緩いボールは飛距離が出ない」と言われますよね。

しかし、投球のスピードが1㎞上がったことで伸びる打球の飛距離は、たった13センチであるという研究結果があります。

対して、スイングスピードが1㎞アップすると、飛距離は1,3メートル向上します。

よって、スイングスピードをアップさせることが、飛距離アップの近道であると断言できますよね。

体重を増加させる

打球速度は体重と相関関係にあるというデータがあります。

体重が重い方が、打球速度が速くなりやすいということですね。

ということは、飛距離を伸ばすためには体重も増加させた方が良いです。

しかし、単純に体重を増加させるだけでは解決になりません。

重要なのは、「除脂肪体重」です。

読んで字のごとく、脂肪を除いた部分の体重が重要になります。

最も長打(安打)になりやすいと言われる「バレルゾーン」に該当する打球を打つためには、除脂肪体重で65㎏以上が必要というデータが出ています。

70㎏の人だったら、体脂肪率は10%を切っていないとこれに該当しません。

道は二つで、

  • 体脂肪率はそのままで、筋肉量を増やす
  • 体重をキープしつつ、脂肪を減らす

結局のところ、どちらも筋肉量を増やさなければならないという結論になりますね。

よく強豪校の野球部が「練習よりもご飯をたくさん食べるのが辛い」と言われるほど食べさせられるのは、これも一つの根拠になっているわけです。

正しいバッティングフォーム

飛距離を生むためには、力がロスなくバットに伝わるような理にかなったバッティングフォームを身に着ける必要があります。

構え方やタイミングの取り方は個性が出ますが、スイングを始動してからミートするまでの動作は一流バッターに共通するコツがあるのです。

特に重要なのが、「割れ」という考え方になります。

 

「割れ」とは、打ちに行くときの体重移動のことです。

右バッターであれば、打ちに行くときには左足をピッチャー方向に踏み込みます。

そのときに、左足だけ前に移動して、重心は右足(軸足)に残っていることが重要なのです。

そしてスイングを始動してから前側の足に重心が移動しますから、打ちに行く段階ですでに体重が前に流れていては力が入らないわけですね。

この「割れ」は全ての強打者に共通するので、一度しっかり理解しておいた方が飛距離は飛躍的に高まります。

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飛距離を伸ばす練習方法

ここまでご紹介してきた飛距離を伸ばす要素を踏まえて、確実に飛距離をアップさせるために役立つ練習方法もご紹介していきましょう。

  • 素振り
  • 各種ティーバッティング
  • ロングティー
  • ノック打ち

素振り

素振りの目的は、

  • スイングの量を増やす
  • フォームを固める

という2点です。

単純に振る力をつけるための、野球に特化した筋トレみたいなイメージで行うのも良いでしょう。

また、打撃フォームを固めることで、しっかりトップを固めることにも繋がります。

トップが決まれば、タイミングも取りやすいですし、力が伝わりやすい理想的なバッティングフォームにもなりやすいですからね。

素振りの効果を最大化するには、試合をイメージしながら振るのも重要です。

ピッチャーの投球フォームやコースを想像しながら、ヒットやホームランを打つイメージで集中して行いましょう。

ティーバッティング

ティーバッティングは、近距離からトスしてもらったボールをネットに向かって打ち込む練習です。

目的は

  • 力の入るポイントを知る
  • スイング軌道を修正する

ということです。

バットで実際にボールを捉えるので、ポイントを確認しながら打つことが大切ですね。

また、少し打球が上がるように打つことや、狙ったところに打てるようにすることで、スイング軌道の修正にも繋がります。

さらに、背中側からトスしてもらったり、真上から落としてもらったボールを打ったりするティーバッティングも効果が期待できます。

特にインサイドアウトのスイングが難しいという方は、変わったティーバッティングにも取り組んでみてくださいね。

ロングティー

ロングティーは、ティーバッティングのネットが無くなったバージョンだと思っていただければ良いでしょう。

目的は

  • 遠くに飛ばす感覚を身に着ける
  • 弾道を上げる

ということで、まさに飛距離を伸ばすための練習と言えます。

身体を大きく使わないと飛ばないので、自然と力が伝わりやすい理にかなったスイングに近づいていくはずです。

とにかく遠くに飛ばすことを考えて、思いっきりスイングしましょう。

 

ノック打ち

守備練習としてノックを打つのではなく、バッティング練習として自分がノックを打つのも良い練習です。

特に外野ノックなど、飛距離を出すノックが練習になります。

目的としては

  • 飛距離が出るスイング軌道を染み込ませる
  • ミートポイントを知る

ということが挙げられます。

トスする位置を調節しながら、もっとも飛距離が出るミートポイントを体に染み込ませることが出来ます。

外野ノックを打とうと思ったら自然とアッパーに近いスイングになるので、飛距離を伸ばすためのスイングが身につくでしょう。

まとめ:飛距離はパワーだけじゃない

バッティングの飛距離を伸ばすには、一概にパワーだけを鍛えてもダメだということが分かりました。

スイングスピードはもちろん、弾道やミートポイントも非常に重要な要素だということですね。

逆に言えば、理にかなったフォームでしっかりタイミングが合っていれば、飛距離は伸びます。

ぜひご紹介した練習方法も含めて、考えながら取り組んでいきましょう!




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