外野の深いところに落ちた打球が、ワンバウンドしてスタンドに入る。テレビ中継では「エンタイトルツーベース」と実況されますが、このとき一塁にいたランナーがホームに帰れないのを見て、不思議に思った人もいるのではないでしょうか。
この記事では、エンタイトルツーベースのルールと、ランナーがどこまで進めるのか、本塁打との違いを公認野球規則にもとづいて解説します。
エンタイトルツーベースとは?
エンタイトルツーベースとは、フェアの打球がバウンドしてスタンドに入るなどして、ボールデッドになったときに、打者に二塁までの進塁が与えられることです。公認野球規則では、打者と走者に2個の安全進塁権が与えられるプレーとして定められています(公認野球規則5.05(a)、5.06(b)(4))。
「エンタイトル(entitle)」は「権利を与える」という意味で、「二塁まで進む権利が与えられる二塁打」ということです。なお「エンタイトルツーベース」は和製英語で、英語ではground-rule double(グラウンドルール・ダブル)とよばれることが一般的です。
エンタイトルツーベースになる打球
主に次のような場合に、エンタイトルツーベースになります。
- フェアの打球が、地面でバウンドしてからスタンドに入った
- フェアの打球が、フェンスの下をくぐったり、フェンスや植え込みにはさまったりした
このほか、ドーム球場の天井やスピーカーに当たった場合などは、その球場ごとに決められた特別グラウンドルールで扱いが決まります。

ランナーはどこまで進める?
エンタイトルツーベースでは、打者もランナーも投手が投球したときにいた塁から2つ進みます。
| ランナーの位置(投球時) | 進める塁 |
|---|---|
| 打者 | 二塁 |
| 一塁ランナー | 三塁(ホームには帰れない) |
| 二塁ランナー | 本塁(得点) |
| 三塁ランナー | 本塁(得点) |
もし打球がスタンドに入らなければ、足の速い一塁ランナーはホームまで帰れたかもしれません。それでも、ボールデッドになった時点で「2つまで」と決まるため、三塁で止まらなければなりません。攻撃側にとって損になる場合もあるのが、エンタイトルツーベースの特徴です。
本塁打との違い
フェアの打球がノーバウンドでフェアゾーンのフェンスをこえれば本塁打です。また、ファウルポールに当たった場合も本塁打になります。
一方、打球が一度でも地面でバウンドしてからスタンドに入った場合は、本塁打ではなくエンタイトルツーベースになります。外野手がジャンプしてグラブに当てたボールが、ノーバウンドのままフェアのフェンスをこえた場合は、本塁打です。
送球や投球がスタンドに入った場合
打球ではなく、野手の送球や投手の投球がスタンドなどに入った場合も、進塁が与えられます(公認野球規則5.06(b)(4))。
- 野手の送球がスタンドに入った:2個の進塁。内野手の最初のプレーなら投球時、それ以外は送球したときの走者の位置が基準
- 投手の投球(暴投など)がスタンドに入った:1個の進塁
まとめ
- エンタイトルツーベースは、フェアの打球がバウンドしてスタンドに入るなどしたときに、2個の安全進塁が与えられるプレー
- 打者もランナーも、投球時にいた塁から2つ進む。一塁ランナーは三塁まで
- ノーバウンドでフェアのフェンスをこえれば本塁打
- 英語では「ground-rule double」とよばれる
ほかの野球用語やルールについては、野球用語集|打撃・守備・投球・走塁・ルールの用語をまとめて解説もあわせてご覧ください。





