
2023年に日本球界からメジャーリーグへ挑戦した藤浪晋太郎投手。独特の投球フォームと剛速球を武器に、MLBでも話題を集めてきました。2025年シーズンに向けては、シアトル・マリナーズとマイナー契約を結び、再びメジャー昇格を目指す年となっています。
今回は、藤浪選手の2025年の契約内容や、メジャー昇格時の年俸、マイナー在籍時の報酬、そして彼の今後の展望について詳しく解説していきます。
2025年シーズンの契約は「マイナー契約」
2025年1月、藤浪晋太郎選手はシアトル・マリナーズとマイナー契約を締結しました。この契約には、いわゆる「スプリット契約(split contract)」の要素が含まれており、メジャー昇格を果たした場合に年俸が135万ドル(約2億円)に跳ね上がる仕組みになっています。
この「スプリット契約」とは、メジャーリーグに昇格した時と、マイナーリーグに所属している時で年俸が大きく異なる契約形態です。つまり、メジャーに昇格すれば高額の年俸が適用されますが、昇格できなければマイナーリーグ水準の低い年俸が支払われるということです。
メジャー昇格時の年俸は135万ドル(約2億円)
契約の詳細によれば、藤浪選手が2025年シーズン中にメジャーリーグに昇格した場合、年俸は135万ドル(約2億円)になります。これはMLB全体の平均年俸(約460万ドル=約6.9億円)と比べれば控えめですが、短期間の契約としては十分な水準です。
ちなみに、2024年にはニューヨーク・メッツと335万ドル(約4.9億円)のメジャー契約を結んでいましたが、右肩の張りにより実戦登板なくシーズン終了。その後FAとなり、今回のマリナーズとの再契約に至りました。
マイナー在籍時の年俸は?元メジャー選手ならではの特別待遇も
では、メジャー昇格を果たせなかった場合、藤浪選手の年俸はいくらになるのでしょうか?
マイナー契約の場合、基本的にはマイナーリーグの規定に従って報酬が支払われます。2024年以降、マイナーリーグの給与体系は改善され、2025年も以下のような年俸が基本となります。
- ルーキーリーグ:19,800ドル(約300万円)
- シングルA:26,200ドル(約400万円)
- ハイA:27,300ドル(約410万円)
- ダブルA:30,250ドル(約460万円)
- トリプルA:35,800ドル(約550万円)
しかし、藤浪選手のように過去にメジャーでの実績があり、一定の「サービスタイム(MLB在籍日数)」を積んでいる選手の場合、特例的にマイナー在籍時でも10万ドル~30万ドル(約1,500万〜4,500万円)程度の高額年俸が設定されるケースがあります。
これはMLBが「元メジャー選手」を手厚く保護する仕組みの一環で、特に海外からの挑戦者で話題性のある選手には球団側も手厚い条件を提示する傾向があります。
昇格を逃すと…金銭面でのギャップは深刻
藤浪選手がメジャー昇格を果たせなければ、契約で定められた135万ドル(約2億円)の年俸は受け取れません。
その場合、仮にマイナーでトリプルA待遇の35,800ドル(約550万円)程度の報酬しか受けられないとしたら、その差は100万ドル(約1.5億円)以上にもなります。
さらに藤浪選手は家族を日本に残しての渡米や、エージェントや通訳の雇用、アメリカでの生活費なども含め、コスト面での負担が他の選手よりも重くのしかかっていると考えられます。
藤浪晋太郎の今後:再昇格はあるのか?
現時点で藤浪選手は、マリナーズのオープン戦に登板しており、最速100マイル(約161キロ)を記録しています。しかし、防御率は13.50と苦戦しており、開幕ロースター入りは果たせませんでした。
それでも、「永遠のトッププロスペクト(米メディア談)」と評価されている彼にとって、昇格のチャンスは完全に閉ざされたわけではありません。シーズン中に怪我人が出た場合や、中継ぎ投手に入れ替えが起きる場面では、実績のある右腕として白羽の矢が立つ可能性もあります。
まとめ:メジャー昇格なるか、それとも再帰国か
藤浪晋太郎選手の2025年シーズンは、文字通り「勝負の年」です。昇格を果たせば、年俸は135万ドル(約2億円)へ。昇格できなければ、報酬は一気に10分の1以下になる可能性もある厳しい状況。
それでもなお、米国での再チャレンジを選んだ藤浪選手の挑戦は、多くの野球ファンの心を打つものです。2025年シーズンの途中、彼の名前がメジャーの舞台で再び聞こえてくる日を期待しながら、その動向を見守りましょう。
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