近年、特に子供たちの「野球離れ」が言われています。
野球がつまらないスポーツだと言う人は昔から一定数いましたが、それでも日本で最高に人気のあるスポーツだったはずです。
なぜ近年急激に、「野球はつまらない」という声が大きくなってきたのでしょうか?
ここ10年で、野球人口も半数にまで減ったと言われています。
野球がつまらないと言われる14個の原因と、つまらないと感じたときに「また好きになれる方法」についてもご提案していきましょう。
野球がつまらない14個の原因
野球がつまらないというのは、特にプロ野球人気を指して言われることが多いです。
野球好きにとっては少し悲しいことですが、野球の人気を低下させる要因となり得る14個の項目についてまとめていきましょう。
- 試合時間が長い
- ルールが複雑
- 野球界の文化が異質
- 人気選手の海外流出
- 好きなチームが弱い
- クライマックスシリーズのせい
- 交流戦に飽きた
- 日本シリーズが盛り上がらない
- 乱闘が減った
- 解説者の言葉がつまらない
- メジャーの真似ばかり
- データ信仰しすぎ
- 緊迫感がない
- スポーツにそもそも興味がない
一つずつ詳しく見ていきます。
(1)試合時間が長い
プロ野球の場合、1試合を行うのに3時間以上かかることは普通です。
2020年シーズンでは、9回までの試合全ての平均が「3時間13分」であったというデータも発表されています。
サッカーが90分、バレーボールでフルセットでも2時間程度だと考えると、確かに野球の試合時間は長いですね。
テレビ中継が頻繁に行われていたころは、試合中継が延長することも珍しくありませんでした。
そのため、「見たいテレビが見られない」「ドラマの録画が上手く出来なかった」という事故(?)も発生し、野球人気の低下の一因となっているわけです。
(2)ルールが複雑
野球は決まり事の多いスポーツです。
3ストライクで三振とか、4ボールでフォアボールという基本に始まり、デッドボールやボールデッドなど、似ているフレーズでも全くルールが異なるものもあります。
そもそも、攻撃と守備がきっちり入れ替わるスポーツも珍しいと言えるでしょう。
サッカーなら、試合の流れの中で攻撃や守備がめまぐるしく入れ替わります。
初心者の方が野球に触れようとなった場合、まずルールを覚えることが高いハードルになってしまうケースもあるわけですね。
(3)野球界の文化が異質
野球界には、独特な文化やしきたりが存在することもあります。
例えば高校野球の部員が全員坊主頭になっていることは、よく考えれば異様です。
今でこそ、少しずつ髪型自由の野球部が出現してきたようですが、まだまだ超少数と言えます。
坊主頭が嫌で野球から離れてしまった人もいるので、理由の無い謎の文化は取り払った方が良いですよね。
(4)人気選手の海外流出
日本のプロ野球で飛び抜けた実績を残すと、当然ファンからの人気も高まります。
それと同時に、アメリカのメジャーリーグに挑戦するという流れも加速するのです。
田中将大投手やダルビッシュ有投手、大谷翔平選手など、日本のトップレベルの選手は皆海外に飛び立ちました。
好きだった選手が日本のプロ野球からいなくなり、なんとなく野球を見る頻度が減ったという人もいるわけですね。
残った日本の選手に魅力を感じられずに、徐々に野球離れに繋がってしまうことも考えられます。
(5)好きなチームが弱い
熱心なファンであれば、自分が応援しているチームがどんな成績であろうと、ずっと好きであることには変わりありません。
しかし、もっとライトなファン層の方は、贔屓のチームが弱いと応援の張り合いが無くなります。
シーズン早々の時点で最下位争いをされていると、もうその1年はプロ野球に興味が無くなってしまいますよね。
(6)クライマックスシリーズのせい
クライマックスシリーズは、そもそもアメリカメジャーリーグのポストシーズンを参考に作られたルールです。
日本の場合、ペナントレースの上位3チームがさらに短期決戦を行い、日本シリーズ出場チームを決めます。
しかし、そもそもセリーグもパリーグも6球団ずつなので、そのうち3球団がクライマックスシリーズに出られるというのは微妙なルールかもしれません。
半分のチームはポストシーズンに進めるので、ペナントレースで3位だったチームが日本シリーズに進出する例もあります。
そうなると、ペナントレースの価値が落ちるという意見も納得です。
(7)交流戦に飽きた
交流戦は、2005年から開催されるようになった公式戦です。
元々はセリーグとパリーグそれぞれのチームが、違うリーグのチームと対戦する機会はありませんでした。
シーズン前のオープン戦か、日本シリーズで戦うしかありません。
導入当初は盛り上がった制度ではありましたが、近年では交流戦の意味もあまり無くなってしまいました。
特にパリーグ球団の圧倒的な優勢が収まらず、2021年まで16回開催された交流戦のうち、14回をパリーグ球団が勝ち越すという成績になっています。
セリーグのファンにとっては、交流戦は負け試合を多く見せられる期間になってしまっているわけですね。
(8)日本シリーズが盛り上がらない
クライマックスシリーズの導入によってペナントレースの意味が薄れ、さらに交流戦によって別リーグとの対戦という新鮮味が薄れ、結果的に日本シリーズが盛り上がらないという事態にもなっています。
それでも緊張感のある試合であることは間違いないのですが、ここ10年ではほとんどパリーグの球団が日本一となっているのです。
唯一、2012年に巨人が日本シリーズを制した以外、2010年から2020年までの間全てパリーグの球団が勝っているという事実があります。
この強さの偏りも、日本シリーズの盛り上がりを欠く原因となっているでしょう。
(9)乱闘が減った
少し前のプロ野球では、デッドボールをきっかけにして乱闘騒ぎになることもよくありました。
ファンにとってはそれもエンターテインメントの一部であり、盛り上がる場面でもあります。
しかし近年は時代の移り変わりもあり、選手間での乱闘は激減しました。
大人しい選手や紳士的な選手が多くなり、それがまた観客を興奮させる要素を一つ減らしてしまっているという見方も出来ます。
(10)解説者の言葉がつまらない
プロ野球の地上波中継はほぼなくなりましたが、解説者の言葉がつまらないというのも、野球人気を低迷させる一つの要因となっているようです。
起きたプレーを誰もが何度も聞いたことのあるフレーズで解説するだけで、まったく面白味も新鮮味も無いということですね。
その中でも、これから起こりそうなプレーを予想したり、選手の心中を推測したり、あまり他の人が言わないようなことを解説するような解説者に人気が偏っています。
(11)メジャーの真似ばかり
MLBでは、「フライボール革命」と言って、ゴロを打つよりも強い打球を打ちあげるイメージでバッティングをした方がヒットの確立が高いという理論が広まっています。
その結果、極端に言えば「三振かホームラン」という試合が多くなっているのです。
イチロー選手が引退会見で
「頭を使わなくてもできてしまう野球」
になってきていると言って、野球界の在り方そのものを危惧していました。
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もっと緻密な作戦の元で、様々な駆け引きをもって行われる野球の方が、魅力的だということでしょうか。
フライボール革命については、こちらの記事でも解説しています。
(12)データ信仰しすぎ
データを活用して高度な分析をする野球も素晴らしいと思いますが、時にそれがつまらなく映ってしまうという側面もあります。
前述のフライボール革命もそうですし、投手の過度な球数制限もそうでしょう。
日本とアメリカでは環境が全く異なるので、アメリカで発せられたデータをそのまま日本のプロ野球に当てはめることは出来ないわけですね。
その結果、先発投手が5回、6回あたりでほとんど降板するのが当たり前という現状が起きています。
先発完投型の投手が出てきてくれると、スター選手が出現し、そこに魅力を感じて人気が回復するという見方もできますよね。
(13)緊迫感がない
特にプロ野球では、年間を通して140試合以上戦います。
そのため、ある程度の点差が開いてしまうと、なんとなくダラダラとした雰囲気で試合が進むこともあるのです。
選手たちにとってみれば、長いシーズンを見据え、ある意味「捨て試合」という考え方が合ってもおかしくはありません。
ただしファンにとっては、少し感覚が違います。
仕事や学校の合間に楽しみにしてやっと観に行った試合が、選手にとって「捨て試合」だった場合、つまらないという感想にもなるはずです。
(14)スポーツにそもそも興味がない
そこまでスポーツに興味がない人にとってみれば、野球は複雑だし時間も長いし、面白い要素を見つけることの方が難しいかもしれません。
新たな野球ファンを生み出すためには、今までの体質を変えていかないと難しいのかもしれませんね。
野球がつまらないときは
野球がつまらないと感じたとき、または友達や身近な人に野球の楽しさや面白さを伝えたい場合、どうしたら良いのでしょうか?
- 高校野球を見る
- メジャーリーグを見る
- WBCを見る
このように、プロ野球とは違うカテゴリーの試合を見るというのも一つの手です。
バラエティ番組で面白い性格の選手がいたとか、ファッション誌にたまたま格好いいプロ野球選手がモデルとして出ていたとか、そういった切り口でプロ野球ファンになることもあるでしょう。
そうでなければ、いきなりプロ野球を見てもつまらないと感じてしまうかもしれません。
高校野球を見る
高校野球の場合、基本的にトーナメントの一発勝負です。
ビジネスなどを度外視して、純粋に勝ちたいという気持ちでプレーする高校球児のプレーは、多くの人を感動させます。
18歳以下の若い選手たちですし、はつらつとしたプレーを見れば、野球が魅力的に映る可能性は十分です。
メジャーリーグを見る
MLBには、NPB(日本のプロ野球)のように、太鼓やトランペットなどの応援はありません。
観客がホットドッグなどを片手に、ただ野球を楽しみに球場へと足を運んでいるのです。
盛り上がる場面では拍手と歓声が上がり、打球音や捕球音などもリアルに感じられます。
そういった野球の方が好きになれるという人も、いるかもしれません。
WBCを見る
今のところ、野球の最も価値ある世界大会と言えばWBC(ワールドベースボールクラシック)です。
真剣勝負の国際大会は、緊張感もあって見ている方も力が入ります。
日本の試合はもちろん、ドミニカやプエルトリコなど、北中米の代表選手が闘志むき出しでプレーする姿も感動するでしょう。
まとめ:野球人気はまだまだ上げられる
野球にあまり馴染みのない人にとっては、つまらない要素も多いかもしれません。
逆に言えば、そこを少し改善するだけで、まだまだ野球を日本で人気のあるスポーツにすることは可能だということです。
野球人気回復のためにも、野球界全体で考えられるようになってほしいですね。