野球用語の一つである「テキサスヒット」
日本ではよく、「ポテンヒット」と言われることがあります。
テキサスヒットはいわゆる外野と内野の間に落ちるヒットのことで、打球が上がった瞬間は「打ち取られた」と感じるでしょう。
通常のヒットとは区別してあえて「テキサスヒット」と呼ばれる理由は、何かあるのでしょうか?
今回は、テキサスヒットの意味や由来について解説していきます。
テキサスヒットとは
テキサスヒットは主にアメリカメジャーリーグで使われることの多い野球用語で、内野手と外野手の間に落っこちるヒットのことです。
通常のキレイなヒットとは違い、「フラフラッ」と緩く打ちあがった打球が野手の間に「ぽてんっ」と落ちるようなヒットになります。
そのため日本では、「ポテンヒット」(ぽてんヒット)と呼ばれることが多いでしょう。
テキサスヒットを動画でもご覧ください。
打球が上がった瞬間は、バッターからすると「打ち損じた」と感じるでしょうし、ピッチャーやキャッチャーからすれば「打ち取った」と思うでしょう。
テキサスヒットの多くは力のない打球になるので、見ている観客も凡打をイメージします。
しかし、それが絶妙なラインで野手の間に落ちるわけです。
打者からすれば、「ヒット1本得した」という気分になるでしょうし、投手からすれば「アウトに出来たはずなのに」と考えてしまいます。
テキサスヒットの由来
テキサスヒットもスコア上は通常の安打と何も変わりません。
それでも野手の間を抜けていくような打球や、痛烈な打球のヒットを「クリーンヒット」と呼ぶのに対して「テキサスヒット」という言葉もあるわけです。
そんなテキサスヒットの由来は、
テキサスリーグ出身の選手が良く打つヒットだから
ということのようです。
テキサスリーグとは、アメリカメジャーリーグ(MLB)の傘下であるマイナーリーグの一つです。
アメリカの場合は、日本のようにセリーグとパリーグ(1軍)、イースタンリーグとウエスタンリーグ(2軍)というような単純な区分けだけではありません。
メジャーリーグの下にはクラス別にいくつものリーグがあり、その中の一つであるAA級(ダブルエー)に該当するリーグの中にテキサスリーグがあります。
テキサスリーグに参加しているのは現在のところ8チームで、そのテキサスリーグ出身の選手が良く打つヒットの形というところが語源となり、「テキサスヒット」と言われているわけです。
「テキサスリーガーズヒット」と表現されることもあります。
テキサスヒットを打たれた投手の心理
テキサスヒットは、一見すると凡打のような当たりになることが多いですから、意外とピッチャーの心理的な影響も大きいものです。
実際に筆者の高校時代にバッテリー(投手と捕手)とポテンヒットについて話をしたときに
- 打ち取っているのに
- アウトを損した気分
- 外野手を前進させておけばよかった
など、ネガティブなキーワードが並んでいました。
やはり、ピッチャーとしては球威で押し込んでいる分、アウトになって欲しい打球なわけです。
実際、外野手が一瞬打球の判断に迷って一歩目のスタートが遅れたことでテキサスヒットになるケースもあります。
記録に残らないエラーとも言えるでしょうか。
そういった意味では、守備側の野手陣のスキルによっては僅かではありますがテキサスヒットを打たれる数が減らせるのかもしれません。
また、テキサスヒットの多くはシングルヒット(単打)になりますが、フライになっている分地面についた後のバウンドも高くなります。
野手が捕球できるまでの時間が長いので、バッターランナーが俊足だった場合一気にツーベース(2塁打)にされてしまうこともあるわけですね。
例えばこんな感じ
これは守っている方の選手としては、かなり精神的なダメージも大きいのではないでしょうか。
まとめ:テキサスヒットも普通のヒット!
ここまで、テキサスヒット(ぽてんヒット)の意味や語源について説明してきました。
野手が捕れるかどうか微妙な打球が多いため、打たれた側はテキサスヒットをいつまでも悔やむ必要はありません。
普通のヒットと同じですから、すぐに気持ちを切り替えて次のバッターに臨むべきですね。
逆にテキサスヒットを打ったバッター側は、「しっかり振り切ることができた結果だ」とポジティブに捉えてどんどん攻め込んでいきましょう。