野球のインサイドワークとは?【キャッチャーのリードとは違う?】

野球で選手を評価する際に「この選手はインサイドワークに優れており…」という一文を見たことがありますでしょうか?

インサイドワークは特に捕手の能力を評価するときに使用されるフレーズですが、素人目には何が優れているのかよくわかりません。

そこで今回は、インサイドワークの意味や具体的な内容、インサイドワークの上達方法などについて解説していきます。

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インサイドワークとは

インサイドワークとは、「野球についての頭脳プレーや、思考能力」のことです。

主にキャッチャーとしてのスキルを指し示している言葉で、実際に肩が強いとか足が速いとか目に見えやすい身体能力とは少し違う技術になります。

例えば、

  • 投手が投げたい球種を察する
  • 相手バッターが狙っているコースを外す
  • 適切なタイミングで野手に声掛けをする
  • 間合いをとる
  • 相手の作戦を見抜く

などのように、周囲の状況などから他人の考えを察して、最適な作戦を考えることインサイドワークと言うのです。

そのため、素人から見るとインサイドワークの凄さが伝わりにくいという側面があります。

インサイドワークが上手いキャッチャーがいると、投手の能力が最大限に引き出される上に、選手個人の身体能力に頼らない戦い方が可能です。

野球は打順やポジションによって求められる役割が異なりますから、選手の得意不得意も様々です。

その場面に応じた攻め方やメンタルケアが出来れば、格上とも思える相手にも勝てるわけですね。

     

    キャッチャーのインサイドワーク自体はなかなか数値化しにくいですが、やはりそれが反映されるのは、チームの勝敗や防御率などの数字です。

    全く同じ投手陣でも、キャッチャーが違うと防御率も全く違った数字になるでしょう。

     

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    インサイドワークの上達法

    インサイドワークを上手くするには、日ごろから野球のことについて考えを深めておかなければなりません。

    周囲から「あいついつも野球の話してるな~」と思われるくらい野球について考えていれば、インサイドワークも上達していくはずです。

    その他、具体的にインサイドワークを磨くにはどのような方法があるのでしょうか。

    • 野球中継や野球の試合を見る
    • 実際に捕手としての経験を積む
    • 書籍などで勉強する

     

    インサイドワークを磨くには、一度冷静に野球の試合に向き合うことが重要です。

    プロ野球中継や甲子園のテレビ放映などを見て、自分なりの考えや配球を予想しながら見るとかなりインサイドワークのトレーニングになります。

    応援しているチームが勝ったとか、贔屓にしている選手が活躍したとか、純粋な楽しみ方だけでなく、より深い「頭の中の読み合い」を想像することも野球の醍醐味です。

    その上で、捕手としての実戦経験を積むのが最も成長するでしょう。

    公式戦はもちろん、練習試合でも紅白戦でも、捕手として試合形式の場を経験することは何より大切です。

    野球中継などで自分の頭の中に「考え方の引き出し」を増やしておくことが出来れば、実践でも柔軟な対応が出来るでしょう。

    また、書籍などで野球の考え方を学ぶことも大切です。

    ID野球」というデータを重視した野球の考え方を提唱したと言われている、野村克也さんの書籍などがオススメです。

    テレビ番組などでも「球辞苑」や「Get Sports」といった、選手の技術の深い部分に迫る番組を見ていても、インサイドワークを磨く手がかりになります。

    インサイドワークが上手くなるには、とにかく「たくさん経験してたくさん考える」という機会を作ることが重要ということですね。

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    インサイドワークのやり方

    インサイドワークが上手い選手になるには、どのような視点を持って野球の試合に臨めばいいのでしょうか?

    自分の中だけの先入観があると、どうしても考え方が偏りがちです。

    例えば、外角低めに2球続けてストライクを取ったら、次はインコース高めでストライクを狙うとか、ストライクゾーンの対角線を使うというセオリーがあります。

    全員がこのセオリー通りに考えていれば、相手打者にも配球が読まれやすくなってしまうわけです。

    そこで大切な視点となるのが

    • 客観的な視点を持つ
    • 味方投手の調子や様子をよく見る
    • 相手打線(打者)の調子や仕草を見る
    • 過去の打席結果や成績を考慮する

    このような視野の広さが必要です。

    客観的な視点を持つというのは、グラウンドの外から中立的な立場で試合を見ているようなイメージになります。

    例えば自分がキャッチャーをしていて、ノーアウトランナー3塁のピンチになったとしましょう。

    第一優先はやはり点を取られないことですから、多くの場合で内野手に前進守備の指示を出すはずです。

    しかし、それは全てのノーアウトランナー3塁の場面に当てはまるわけではありません。

    これが10点リードしている場面の7回裏であれば、1点くらい取られても良いので、バッターからアウトを一つ奪うことが重要になります。

    無理して3塁ランナーを刺しに行って失敗した場合、チームのムードや流れが傾いて大量失点に繋がることもありますからね。

    イニングや点差などの状況を見て、最も優先すべきことは何なのか、すぐに答えを導きだせることもインサイドワークの技量にかかってきます。

    後は味方投手の性格や調子なども考慮して、「決め球にすべきボールは何なのか?」「焦っているから、一度タイムを取って間を置いた方が良さそうか?」など、あらゆることに考えを巡らせなければなりません。

    味方投手がエース級の良いピッチャーであれば、相手打線は徹底して狙い球を絞ってくる可能性もあります。

    相手が低めのスライダー狙いで来ているのに、決め球にスライダーばかり要求していたら、おそらく簡単に打たれてしまうでしょう。

    その日の過去の打席結果なども考慮に入れて、相手が何を考えているのかイメージすることも、インサイドワークに含まれるわけですね。

    インサイドワークの良いキャッチャーとは?

    インサイドワークの良さというのは、なかなか見ている人には伝わりにくいものです。

    キャッチャーのインサイドワークの良さを評価するには

    • チームの勝敗
    • ピッチャー陣の防御率

    この2つが分かりやすい指標となります。

    キャッチャーがインサイドワークを磨く最大の目的は、やはり試合に勝つことです。

    プロ野球でも、リーグ優勝や日本一になるチームというのは、絶対的なレギュラー捕手が君臨していることが多いです。

    ピッチャー陣全体の防御率も、捕手によって成績に大きな影響が出来ます。

    インサイドワークの良し悪しを判断するには、わかりやすい指標なのではないでしょうか。

    まとめ:インサイドワークは地道に上達させよう!

    キャッチャーというのは特殊なポジションで、試合に勝ってもあまり評価されませんが、負けるとキャッチャーのせいにされる風潮があるのも事実です。

    同様に、相手バッターを抑えれば投手の手柄で、ピンチで痛恨の一打を食らえば捕手のリードが責められます。

    インサイドワークは玄人でないとなかなか評価が難しいですが、チームの勝敗に直接的に作用するというやりがいのあるポジションなので、日々訓練していきましょう。




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