肩の上から投げなさい
このように教え込まれてきた野球少年たちも多いのではないでしょうか。
しかし、この指導はあまりよくありません。
スポーツの世界も科学が進歩して最適な投げ方というのを立証してきています。
筆者も子供の頃は肩の上から投げるようにと体に染み込まれてました。
小学生の頃に叩き込まれて、この投げ方が悪いと気づいたのは高校生の時でした。
直すのに本当に苦労しましたね。
部活の練習後、整体に通って加圧トレーニングで投球の矯正をしたものです。
今日もそうだが
連続して3時間以上投げると
3時間越えた辺りで肩に力が
入って、リリースのタイミングが
わからなくなる(;・ω・)今の投げ方結構理想なんだけどなぁ
大和久さんみたく
なるべく力感なく投げたい…
きっとなにかが違うんだろう…
もっと研究しなければ( ´;゚;∀;゚;)— コタロー(光大郎)ヤドン愛 (@kotata0811) September 14, 2018
いろんなのが混ざってグチャグチャ。でも、新しい投げ方が理想通りに出来たときは、かなりいい。我慢して、新しい投げ方を体に染み込まそう。頑張れ、オレ!
— 金属坊主(めたぼー、DADDYMETAL)@ダーツ垢 (@DADDYMETAL) September 12, 2018
投げ方で悩んでいる人は意外にも多そうです。
昔と今とではだいぶ投げ方に対する認識が変わりましたが、どのように変わったのでしょうか?
筆者の子供の頃の投げ方の指導方法を例に違いを感じてもらえたらと思います。
トンボを縛り付けた無意味な練習
筆者が少年の頃、肩の上から肘が出て、リリースポイントも肩の上になるようにと教えこまれましたが、一度このフォームが染みつくとなかなか改変するのにも時間がかかりました。
そして、肩の上から投げるようにと、トンボを縛り付けてかかしのような姿勢をとって、ひたすら肩の上から投げるシャドウピッチングをさせられたものです。
今思うと、とんでもない指導をされたものです(;^_^A
後世の野球少年たちには、幼い時から正しく自分に合ったフォームを身に着けてほしいので、これから野球を教えたいという方々の参考になればと思い記事を書いていこうと思います。
では、投球フォームを固めるためにはどうすればいいのでしょうか?
何もトンボで固定しなくてもフォームは固めることができます。
大事なのは反復練習。
フォームを固めるのに有効な練習はシャドウピッチングだと言えるでしょう。
鏡の前で何度も自分のフォームを確かめながらピッチングの動きを体に染み込ませる必要があります。
一回の動作を慎重に丁寧に大事にしていきましょう。
シャドウピッチングの際に、一番力が負担なく入りやすいポイントを探すのがコツです。
プロ野球選手となったあとも、無茶な努力はしなかった。怪我をしたら意味がないからだ。無茶な練習の代わりに、23年間、毎日毎日「50回のシャドウピッチング」を必ず続けた。時間にしてみれば1日10分とか15分。(心の野球 超効率的努力のススメ)
— 桑田真澄 非公式Bot (@KuwataMasumiBot) September 19, 2018
肩の上から投げると負担が大きい
なぜ肩の上から投げるといけないのかと言いますと、負担が大きいからです。
まだ骨格ができあがっていない野球少年にはこの投げ方をすると怪我のリスクが高まります。
また、あまりにも上から投げようとすると、視点が定まりにくくコントロールが付きにくいというデメリットもあります。
上から投げた方が力が入りやすくて速い球を投げれると教える指導者もいますが、果たしてそうでしょうか。
実は斜めから投げたほうが力が入りやすいです。
プロ野球やメジャーでも剛速球投手として名を連ねている選手たちには斜めから投げるスリークォーターの選手たちが多いのです。
それでも肩の上から投げるメリットを挙げるとするのなら、高身長の投手が打者に向かって投げた時に高低差を利用できるので、打ち取りやすいということぐらいです。
特にそういう投手でない限り、肩の上から投げさせるメリットはほぼ皆無なので、肩の上から投げさせるという指導は考え直したほうがいいかもしれません。
力が一番入りやすいのは斜めから
元巨人のエース、桑田真澄氏も野球少年たちに斜めから投げることを推奨しています。
桑田真澄氏はPL学園で清原和博氏とKKコンビとして甲子園を盛り上げた人物です。
また、巨人入団後も投手三本柱の一人として活躍し、メジャー経験もある野球界の宝のような選手でした。
今は野球に対する恩返しとして、様々な場で野球指導や解説の仕事に精を出しています。
桑田氏は「当たり前だと思われていることに疑問を持つことが大事」だとおっしゃっています。
なぜこれが良しとされるのか、自分でちゃんと説明できるようにしておくと壁にぶつかった時にも対処しやすいです。
教えられたことを鵜呑みにしないで、そのように教える理由をしっかりと聞いてみることを野球少年たちには意識してもらいたいです。
指導する人たちは子供たちが尋ねてきた時に正確に答えられるように信頼ある行動をとっていきましょう。
お手本とする投げ方
では、お手本とすべき投げ方はどういう投げ方なのでしょうか?
最近、有名になった選手では吉田輝星選手だといえるでしょう!!
力を入れようとすればするほど力んでしまいます。
力めば当然、細部のコントロールが効かなくなり、ピッチングどころではありません。
また、速い球を投げようとすればするほど、腕だけで投げようとしてしまいがちです。
しっかりと脚の力を利用して、リリースポイントに一点集中して投げることを意識していきましょう。
なぜならば、腕の力よりも脚の力のほうが何倍も強いから、下半身の力を上に伝えることで球威も出るし、故障も少なくなるので、良いことだらけです。
全ての投手たちには、速い球を投げようと気を焦らせることなく、地道にフォーム固めから着実にしていくことを願っております。
フォーム固めは基礎固め!
肘や肩を壊さないために手投げを矯正する練習方法
肩の上から投げることも故障のリスクを高める投げ方ですが、
もっと肘や肩に負担をかけてしまう投げ方があります。
それは
『手投げ投法』
です。
本来、体全体の力を使って、リリースポイントに力を込めるのが一般的な野球の投げ方ですが、体を上手く使えないと、腕や手だけで投げてしまいがちになります。
相当な負荷がかかってしまうので、骨格や関節が耐えきれなくなってしまうのです。
体全体を使うことで、手投げ問題は解消されますが、一度癖になってしまうと治すのも難しいので気をつけてくださいね。
手投げになっているのであれば、解決する練習方法があります。
こちらの動画で詳しく、丁寧に解説していますので参考にしてみてください。
まとめ
人間の体の構造上、斜めからリリースして、体全体を使ったほうが力が伝わりやすいと言われています。
ですが、個人差は必ずありますので、多くの情報から精査して、自分にあった投球フォームを探しだしてみてくださいね。
大方の投球フォームはスポーツ科学の知識で作ることができますが、細かいところは必ず自分の体で動きを確かめるようにしましょう!