草野球を全力で楽しむためには、ピッチャーのレベルが大きく影響します。
明らかに相手打線と投手に力量差があると、守備側は楽しくないどころか、攻撃側も野球本来の楽しさを味わうことが出来ません。
力んでスピードを出そうとして、制球が定まらずに四死球を連発では、試合もしらけムードです。
草野球のピッチャーに求められる要素や、草野球でピッチャーを務めるために必要なコツや練習方法を整理しておきましょう。
野球は、ピッチャーの状態で試合が8割決まってしまいますからね。
草野球のピッチャーはコントロールが大切
草野球のピッチャーにおける大前提として、「コントロールが一番大切!」ということが言えます。
ピッチングにストライクとボールの判定がある以上、いくら速いボールを投げようが、ストライクが入らなければ試合になりません。
もし草野球のピッチャーがあまりにもノーコンだった場合、とてつもなく大きなデメリットとなるでしょう。
- 守備の時間が長くなる
- 相手もバッティングができない
- 味方の攻撃時間がなくなる
野球の試合をぶち壊してしまうような、これらのリスクが発生します。
守備の時間が長くなる
草野球でピッチャーのコントロールが悪いと、当然ですがフォアボールやデッドボールが増えます。
相手が出塁する回数が増えるので、必然的に守備の時間がどんどん長くなりますよね。
さらに、フォアボールを出すということは最低でも4球以上は投げています。
それとは別にアウトを3つ取るまでイニングが終わらないのですから、初球でヒットを打たれてランナーを出すよりもかなり時間がかかるということですね。
相手もバッティングができない
一方で、ノーコンピッチャーと対戦している相手打線の選手はどう考えているかというと
「気持ちよくバッティングがしたい」
そう思っているはずです。
かなり力の入った公式戦でもなければ、草野球で泥臭くフォアボールやデッドボールをもぎ取ろうと思っているバッターは稀でしょう。
基本は、バットでしっかり捉えて気持ちの良いヒットを打ちたいと思って草野球に参加しているのです。
それなのに、三振でもなく凡退でもなく、自らの力量とは全く関係のない四死球で出塁させられても面白くないわけですね。
言ってしまえば、草野球であまりのノーコンを披露してしまうと、相手にも失礼と言えるでしょう。
味方の攻撃時間がなくなる
基本的に草野球で楽しいのはバッティングです。
ピッチャーのバックで守っている野手たちも、早く打席に立ちたくて参加しています。
でも、あくまでも草野球です。
プロ野球の公式戦のように、3時間も4時間もグラウンドを借りられるわけではありません。
ピッチャーのコントロールが悪いせいで守備の時間が長くなれば、自分たちが攻撃に回る時間が非常に短くなるのです。
せっかく試合をしているのに、1人1回打席に立って終わりなんてことになったら、草野球も楽しくないですよね。
草野球のピッチャーがやるべき練習方法
草野球をみんなが楽しめるために、ピッチャーを任されることが分かっている人はある程度の練習も必要です。
ただ漠然と投げ込みをするのも良いですが、目的を意識して練習に取り組んだ方が短い時間で効率よくピッチングのスキルアップができます。
- コントロールの練習
- 牽制の練習
- 野球の基礎的な練習
この3つに分けて、草野球のピッチャーが行うべきトレーニングをみていきましょう。
コントロール練習
草野球でみんなが信頼できるピッチャーになるためには、少年野球の子供たちが練習するような方法でコントロールを磨くことがまずは大切です。
そこに基礎が詰まっていますし、野球を始めたばかりの子供が意識するようなことをきちんと大人が意識して行えば、すぐに上手くなります。
また、自分の投球フォームを見直してみるのもコントロールに大きく影響するものです。
別に全てのピッチャーがオーバースローで上から投げる必要はありません。
腕を下げて、スリークォーターやサイドスロー気味で投げた方が、案外コントロールがつけやすいということもありますからね。
その過程では、ケガをしやすいピッチングフォームについても知っておくと、長く野球を楽しめるようになるので大切です。
そもそも、漠然とキャッチャーに向かって投げるだけでなく、ストライクゾーンについても理解しておいたほうがコントロールが付けやすいでしょう。
意識したところに投げるからこそ、制球力は向上します。
ボールを使わない練習として、シャドーピッチングを取り入れるのもオススメです。
同じ投球フォームを何度でも繰り返せるように身体に染み込ませれば、あとはボールをリリースするタイミングだけ調節すれば、勝手にコントロールが良くなりますからね。
牽制の練習
完全試合でない限りは、投手をやっている最中に必ずランナーを背負う場面がやってきます。
そのときに牽制についての基本的な知識やルール、セットポジションの正しいやり方などを知らないと試合のテンポが悪くなってしまうでしょう。
野球経験者でも、ピッチャーをやってこなかった人は意外に投手のマウンド周辺のルールを知らないこともあります。
そのあたりのルールのおさらいも含めて、一度確認しておいてくださいね。
野球の基礎的な練習
ピッチングは、キャッチボールの延長でもあります。
そしてそのキャッチボールは、野球の基礎です。
すなわち、野球の基礎が出来ていれば、草野球でピッチャーを務められるくらいのスキルは備わるということですね。
草野球のピッチャーはボールが遅くてもOK
草野球のピッチャーは意識もすごく大切で、「速いボールを投げる必要はない」という考え方をしっかり持つことです。
確かに理論的には、スピードボールを投げられた方が、ピッチャーの手からボールが離れてキャッチャーミットに収まるまでの時間が短くなります。
そのほうがバッターもボールが見えにくいですし、打つかどうかの判断をする時間も短くなるのです。
ただ、遅いボールを投げることのメリットもいくつかあります。
- タイミングが合わせにくい
- バッターが勝手に力んでくれる
- ピッチャーの負担が少ない
メジャーリーグでは、大量点差がついたときに、本職の投手ではなく控えの野手がマウンドに上がることがあります。
救援投手たちを温存して、疲弊を防ぐためです。
そのときに登板する野手も全力投球をするわけではないので、かなり緩いボールになります。
しかし、意外とこれに空振りをするメジャーリーガーだっているのです。
球速的には打ちごろなので、バッターは力み、そのせいでヒットが打てないということも十分に考えられます。
また、全力投球をするわけではないので、ピッチャーにかかる肉体的な負担を大きく軽減することができます。
草野球を楽しむ上で大切なのは、ケガをしないことです。
無理にスピードボールを投げようとして肘や肩に負担をかけて故障を誘発していては、長く野球を楽しむことはできません。
草野球でピッチャーに適性がある人の基準
草野球でピッチャーを決めるのに困ったとき、または自分がピッチャーをやりたいけど適任なのか判断に迷ったとき、どんな基準で決めればいいのでしょうか?
- コントロールが良い人
- ケガをしていない人
- 体力のある人
草野球ではおおよそこのような基準が大切になってきます。
まず第一にコントロールが良いことです。
針の穴を通すようなコントロールが無くても構いません。
キャッチボールの段階で、相手の胸に向かってきちんと投げるのが上手い人を選べばいいのです。
また、肩や肘の故障経験が無いとか、現在進行形で故障を抱えている人にピッチャーをやらせてはいけません。
野球で最も負担がかかる動作は投球です。
長く草野球を楽しむためにも、ケガは避けましょう。
また、何度も投手を変更すると時間がかかります。
投球数が増えても大丈夫なように、体力がある人なら草野球のピッチャーに向いていると言えますね。
草野球でピッチャーのグローブ規定は無い
公式戦などでは、ピッチャーのグローブにはいくつか規定があります。
ざっくりと簡単にまとめてみました。
- 白や灰色はNG
- 本体は1色
- 縁取り、しめひも、縫い糸の色は違ってもいい
基本的にボールに近い色のグローブはダメということですね。
そして、本体は1色統一で、本体の色とは異なる色は「ひも」や「縫い糸」の部分であれば使用可能ということです。
2016年までは、ひもや縁取りも含めてすべて1色で統一だったものが、改定されたようです。
ただ、草野球は公式試合ではありません。
明確な規定は無いので、グローブも自由です。
しかし、真っ白なグローブなどは打者目線から少しボールが見えにくくなることも予想されますから、マナーとしては避けた方がいいですね。
まとめ:草野球のピッチャーは試合の楽しさを左右する
ピッチャーが試合をぶち壊しにすることもあるので、やはりある程度の腕前は求められます。
「楽しい」ということが草野球の大前提ですから、ピッチャーをやる場合はコントロール重視でいきましょう!