野球のバットはいくつもの種類があります。
木製と金属だけの違いだけでなく、バットの長さや重さ、太さや素材など様々です。
特に少年野球においては、バットの選び方が難しいという声も聞かれます。
そこで今回は、バットの長さや重さの選び方について深く見ていきましょう。
軟式と硬式バットの違いについても、細かく解説していきます。
身長・体重とバットの長さ・重さの目安
実際には振ってみないとわかりませんが、身長や体重からみたおおまかなバットの長さや重さの目安を表にしてみました。
身長 | 110~120cm | 120~130cm | 130~140cm | 135~145cm | 145~155cm | 155~160cm |
体重 | 20~25kg | 25kg前後 | 25~30kg | 30kg前後 | 30~35kg | 35~45kg以上 |
学年 | 1年生 | 2年生 | 3年生 | 4年生 | 5年生 | 6年生 |
バットの長さ | 64~68cm | 64~68cm | 70~74cm | 75~76cm | 78~79cm | 79~81cm |
バットの重さ | 350~450g | 350~450g | 380~480g | 400~550g | 500~600g | 600~650g |
数値は全て目安となります。
小学校1,2年生の段階では、基本的に軽いバットや短いバットで、道具を扱うということに慣れる時期です。
遠くに飛ばそうとか、ヒットを打とうというよりは、バットを使って野球というスポーツに取り組むことに意味があると言えるでしょう。
高学年になってくると、徐々に速いボールを投げる選手が出てきます。
近年の6年生では、110㎞近い速球を投げられる子供もいるようです。
そうなってくると、球威に負けないようにバットも重い物を扱えたほうが対抗できます。
同じスイングスピードが出せるなら、バットが重い方が飛距離も出るわけです。
ただ、重いバットを振ることでバッティングフォームが崩れているようでは意味がないので、自分が振りやすい重さと長さを重視する方がいいでしょう。
長さの目安で言えば、「胸の中心から指先までの長さ」が適したバットの目安となります。
もっと体の大きい子では、大人の軟式用バットを使うことも出てくるかもしれませんね。
ちなみに、大人の軟式用バットで少年野球の試合に出場することは可能です。
ローカルルールなども確認して、バット選びの参考にしてみてください。
高校野球以上のアマチュア球界では、規定によって900グラム以上のバットを使うことが決められています。
基本的なバットの選び方
バットの長さや重さを選ぶ際には、本人の身長や体重との関係性が重要です。
- 軸がブレずに振れる長さや重さ
- JSBBマークが入っていること
- 軟式少年野球なら「少年軟式用」の記載があるもの
- 大人なら「軟式用」「硬式用」の違いに注意
重いバットを鋭いスイングスピードで振れるなら、その方が打球の飛距離は伸びます。
しかし、バットが重すぎたり長すぎたりすると、スイングの際に軸がブレてバッティング難しくなってしまうかもしれません。
いわゆる「バットに振られる」ことが無いように、体格や筋力に合ったバットを使いましょう。
また、金属バットを試合で使いたいなら、「JSBB」の認証マークが無いとダメです。
試合用としてバットを用意するなら、マークが入っているか確認しておきましょう。
軟式少年野球の場合、バットのグリップの上あたりに「少年軟式用」の記載があるはずです。
これはメーカーが、小学生年代の体格に合わせて作ったバットだという意味になります。
小学生は絶対にこれを使わなければいけないという意味ではありませんが、一つの分かりやすい目安にはなるでしょう。
大人の草野球などの場合、バットが硬式用と軟式用で違うので注意してください。
バットのバランスで選ぶ
バットは、長さや重さだけでなく、「バランス」によっても違いがあります。
バットとボールが当たったときに、最も飛距離が出る部位のことを「芯」と呼ぶことはご存知でしょうか?
プロ野球中継や野球ゲームでも、「芯で捉えた当たり」などのフレーズが出てきます。
バットの芯でボールを捉えることで、さほど力を入れていなくても鋭い打球が飛ぶのです。
余計な力を抜いてスムーズなスイングをするためには、バットの「重心」がどこにあるかも重要なポイントとなります。
重心の位置によって、バットは3種類に分けられます。
- トップバランス・・・重心がバットの先の方にある
- ミドルバランス・・・重心がバットの中心付近にある
- カウンターバランス・・・重心がグリップに近い
バット全体の重さが同じでも、重心の位置が違うだけで腕にかかる負担の感覚が全く違います。
トップバランスはバットの先に重心があるので、遠心力を大きく利用することが可能です。
しかし、その分振るときの力が必要になります。
ミドルバランスは、幅広い選手に対応した一般的なバランスと言えるでしょう。
カウンターバランスは重心がグリップに近いので、バット全体の重量のわりには、スイングの際は軽く感じられます。
あまりパワーに自信がない選手に適していると言えるでしょう。
実際にバットを振ってみて、しっくりくるバランスを選んでみるといいですね。
バットの素材で選ぶ
バットの素材は、大きく分けると金属か木製かの二つとなります。
アマチュア野球ではほとんど金属バットなので、ここでは金属バット(木製以外のバット)の素材について詳しく解説していきましょう。
- 超々ジュラルミン
- アルミ
- カーボン
- 高機能複合バット
超々ジュラルミン
価格は少し高いですが、硬くて反発力があるのが特徴です。
ジュラルミン自体が薄くても硬いので、ボールが当たったときの反発力も高いという特徴があります。
後述するアルミバットよりも高性能のものが多いので、基本的には草野球やアマチュア野球では、この超々ジュラルミン製のバットを使用するのがオススメです。
野球の効果音でよく言われる「カキーン」という感覚が味わえるのが、超々ジュラルミンでしょう。
アルミバット
アルミバットの最大の特徴は、軽くて丈夫だという点です。
価格も比較的安価なバットが多いので、練習用としても求めやすいのが嬉しいですよね。
重量も軽めのバットが多いので、扱いやすくスイングスピードが出やすいと言えるでしょう。
カーボンバット
カーボンは、炭素繊維強化プラスチックと呼ばれる素材で、鉄よりも軽くて強度が高いという特徴があります。
カーボンバット自体は軽いものが多いのですが、そのわりには良く飛ぶと言えるでしょう。
ある程度重量のあるカーボンバットを扱えるのであれば、もしかしたら飛距離がもっとも出しやすいかもしれません。
しっかり芯に当てるのが上手い人なら、カーボンバットがオススメです。
高機能複合バット
コンポジットバットとも呼ばれるこのバットは、カーボン素材をベースに、芯の部分だけウレタンが使われています。
硬いゴムのような素材になっていて、手で押すと変形するのが分かるでしょう。
ボールに対する反発力が非常に強く、飛距離が一気に伸びると近年大注目されているバットです。
しかし、あまりに飛距離が出すぎるため、大会などでは使用できないケースがあるのも注意したいところ。
初期の「ビヨンドマックス」などのバットが有名です。
グリップの太さでバットを選ぶ
バットを選ぶときに意外と重要なのが、グリップの太さです。
これは握ってみて感触を確かめてみないと、自分に何が合っているのかわかりません。
- 太いグリップ・・・ミート重視の方向け
- 細いグリップ・・・飛距離重視の方向け
大まかに分けると、このような違いがあります。
グリップが太い方がバットの細かいコントロールがしやすく、しっかり芯に当てることを意識したい選手なら太めのグリップが良いでしょう。
一方で細いグリップの場合、相対的にバットのヘッド部分の方が太くなるわけです。
その分遠心力も大きくなるので、飛距離を出したい人にオススメと言えます。
バットのグリップは、グリップテープの種類や巻き方によって自分で変えられるので、いろいろ試してみてください。
まとめ:バットの長さや重さを色々試してみよう
野球のバット選びは、そのときの自分のスキルによっても変わってきます。
特に少年野球では体格に合ったバットを選んだ方が良いので、実際に振ったり握ったりしてみて、自分がしっくりくると感じるバットを選びましょう。