キャッチボールの正しい投げ方【6つのコツと初心者向け練習方法】

キャッチボールは、野球の最も基本的な動作ですよね。

多くのアマチュア野球の選手や、草野球のプレイヤーは、キャッチボールを単なるウォーミングアップと捉えているかもしれません。

しかしながら、上手い選手ほどキャッチボールの動作というものを大切にしています。

キャッチボールを正しい身体の使い方で行い、守備練習の一環として取り入れているのです。

そこで今回は、初心者はもちろん野球経験者も必見の、キャッチボールのコツについて整理していきましょう。

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キャッチボールの正しい身体の使い方

キャッチボールのコツを身に着ける上で理解しておかなければならないことは、ボールを投げるということがどのような運動なのか?ということです。

具体的には、

  1. 並進運動
  2. 回転運動

この二つの運動によって、強く正確なボールを投げることが可能になります。

並進運動とは、身体全体が同一方向に進む運動のことです。

キャッチボールでいえば、相手に向かって足を踏み出しながら体重移動していく瞬間が並進運動にあたります。

右投げの場合は左足、左投げの場合は右足を前に出しながら並進運動していきます。

この動作によって、ボールを投げるときの「勢い」がつくわけです。

ボールが指の先からリリースされる瞬間までの、助走の役割を担っています。

そして、この並進運動で培ったエネルギーを、ロスすることなく回転運動によって腕から指先へと伝えていくことが大切です。

右投げの場合、並進運動をしながら左足を前に着地し、その直後から腰を左に回転させつつ右腕を振ります。

腕や肩の筋肉というのは、身体の中でもそれほど大きな筋肉ではありません。

したがって、腕の筋肉だけに頼った投げ方をしていても、速い球は投げられないのです。

そこで、腰や背骨、腹筋といった体を捻るための筋肉も活用して回転運動を生み出します。

並進運動によって発生した推進力を、回転運動を加えることによって上手く腕へと運動させることが、キャッチボールの正しい身体の使い方です。

この理想的なボールの投げ方を実現するために、コツや練習方法をご紹介していきます。

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キャッチボールの投げ方の基本的なコツ

キャッチボールが上手くできれば、守備にも確実に活きてきます。

野球の最初に覚えるべき、キャッチボールのコツを整理していきましょう。

ボールの握り方

野球ボールは、「親指・人差し指・中指」の3本の指で握るのが基本です。

薬指と小指は、ボールの外側に添える程度で良いでしょう。

親指をボールの真下に置き、人差し指と中指をボールの上に置きます。

人差し指中指の間指1本から2本分開けると、綺麗な回転がかかったボールが投げやすいです。

ボールを投げる場所

キャッチボールでは、相手の胸をめがけてボールを投げます。

胸のあたりが最も自然にボールをキャッチできる位置ですし、ボールを捕った後にすぐ送球姿勢を取りやすい位置でもあるからです。

ピッチャーがマウンドからキャッチャーミットを狙って投げること以外は、基本的にどんな場面でも相手の胸を狙って投げることが基本になります。

レベルが上がってくると、内野手がスライディングしてくるランナーにタッチしやすい位置など狙いどころが変わります。

腕の振り方

キャッチボールでは、「肩・肘・手首・指先」の順番で相手の方に向かって振っていきます。

最初はボールを投げる動作をゆっくり行い、しっかり肩から動かすことを意識しましょう。

ボールを投げるときの腕の振り方がある程度分かってきたら、リリースのときにスナップを利かせることも覚えます。

ボールを離す瞬間に、指先で下に切るようなイメージで弾きだしましょう。

上手く腕が振れると、綺麗な回転でかつ回転数の多いノビのあるボールが投げられます。

足の踏み出し方

ボールを投げるときに踏み出す足は、利き腕とは逆です。

右投げなら左足になります。

そのとき、つま先が投げる相手の方向を向くように踏み出しましょう。

投げるときに踏み出した足にしっかり体重を移動させて、身体全体の勢いを使って投げるのもコツです。

キャッチボールでの目線

キャッチボールのコツとして、狙うところをしっかり見ながら投げるというのもあります。

人によっては、目線を向け続けていると投げにくいという人もいますが、最初は相手の胸の当たりに目線を置きながら投げましょう。

人間は、目線が向いているところに動作を集中させるという特性があります。

細かいコントロールをつけるためには、やはり狙いどころをしっかり見ながら投げることが重要なのです。

キャッチボールの捕り方

キャッチボールは、投げるだけでなくしっかり捕ることが出来て練習になります。

捕るときのコツとしては、ボールがグローブに入る直前にグローブを開くことです。

最初からめいっぱいグローブを開いた状態で待っていると、腕に力が入って上手く動かなくなります。

後は膝をしっかり使って、低めのボールが来たらちゃんと膝を曲げて捕りましょう。

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投げ方がおかしい人の特徴

初心者の場合、キャッチボールの段階で投げ方がおかしく見える人もいるはずです。

そんなときにチェックするポイントは3つです。

  1. 肘が下がりすぎている
  2. 頭が前に突っ込んでいる
  3. リリースで上を向きすぎている

肘が下がりすぎている

キャッチボールの投げ方で多いのが、リリースに向かうときに肘の位置が下がりすぎているケースです。

この原因としては、腰の回転運動のタイミングが早すぎるということが挙げられます。

体重が踏み出す足の方に乗り切らないうちに腰の回転が始まるので、腕が追い付かずに肘が下がってしまうのです。

解決策としては、グローブをしている方の手を相手側に伸ばし、リリースのときに胸へグッと引き寄せるようにしてみてください。

グローブが自分の胸に向かってくる反動で腕が振れるようなイメージで行うと、自然と良い形で腕が振れます。

頭が前に突っ込んでいる

頭が前に突っ込んで投げるような方は、ボールがスライダーのように回転しておじぎしてしまうことが多いでしょう。

原因としては、足を踏み出したときに上半身が開きすぎていることです。

解決策としては、足を踏み出す位置を広くして、グローブで壁を作るように踏み出すと良いでしょう。

肘が下がることと同様に、身体の開きが早いことも関係しています。

リリースの直前まで相手に胸が見えないように、ギリギリまで我慢する感覚で投げてみてください。

上を向きすぎている

キャッチボールで、投げる瞬間に顔が上を向きすぎていて、全く相手のことが見られていない場合もあります。

原因としては、軸足にしっかり体重が乗っていないので、上半身に頼った投げ方になってしまうからです。

解決方法としては、軸足一本で軽く静止してから投げ始めるというのが良いでしょう。

しっかり軸足から踏み出す足に体重移動する感覚を身に着けることが出来れば、全身がしっかり上手く使えるようになるはずです。

きれいな投げ方にするための矯正練習方法

キャッチボールできれいな投げ方が出来れば、守備も間違いなく上手くなります。

いきなりノックで華麗なプレーが出来なくていいので、まずはキャッチボールを美しくできるようにしましょう。

キャッチボール上達のための練習方法を、3つご紹介していきます。

  • スナップスロー
  • 正面キャッチボール
  • 横向きキャッチボール

スナップスロー

スナップスローは、ボールをリリースするときの手首や指先の使い方を養うための練習です。

これが上手くできると、力を入れなくても球威があって伸びるボールが投げられるようになります。

  • 相手と正面を向いて立つ
  • 近い距離で行う
  • 利き腕の肘を90°に曲げてダーツを投げるように構える
  • 肘から手首の動きだけでボールを投げる

近距離で良いので、手首を上手く使ってボールを投げる感覚を覚えましょう。

キャッチボールのように大きく身体を使って投げる場合はもちろん、内野手で即座の送球が求められるときにも役立ちます。

正面キャッチボール

相手と正面を向いて正対したまま行うキャッチボールです。

スナップスローと同様、あまり距離を取らなくて大丈夫です。

  • 相手と正対して立つ
  • 両足を少し開いて、そこから動かさない
  • 上半身だけを使って、大きく腕を動かして投げる

この練習の目的は、肩甲骨から肘、手首、指先という順番で上肢を連動させて動かす感覚を養うことです。

あえて下半身の動きを制限することで、理にかなった動きができないと上手く投げられないような状況を作ります。

横向きキャッチボール

ずっと横を向いたままキャッチボールを行う練習方法です。

  • 投げる方向にグローブ側の肩を向けて横向きで立つ
  • リリースで踏み出す足の幅まで両足を開く
  • 足はそこで固定する
  • 膝を軽く曲げて、しっかり軸足に体重を乗せる
  • そこから前足に体重移動して、同時に投げる

これはキャッチボールでも重要な、投球方向への並進運動を上手く行うための練習です。

体重移動の勢いをしっかりボールに伝えられるように、軸足にちゃんと体重を乗せきることを意識して行ってください。

これらのキャッチボール練習を行った後、通常のキャッチボールをするという流れが良いでしょう。

ウォーミングアップも兼ねて、キャッチボールのドリルとして取り入れてみてください。

キャッチボールで意識すべきポイント

キャッチボールを繰り返していく中で、基本的な投げ方は意識しなくても自ずと出来るようになってきます。

その他に、意識するべきポイントをご紹介しておきましょう。

ボールを上に向けない

テイクバックをしてから腕を回してリリースするまで、手のひらが上に向いてボールが上を向く瞬間はありません。

初心者にありがちなのが、テイクバックの瞬間に手のひらを上に向けてしまうことです。

これだと、ボールの重さが腕にかかって負担になります。

テイクバックのときは、手のひらを前または外側に向けて、ボールよりも必ず指が上にある状態を維持してください。

軸足にしっかり体重を乗せる

軸足にしっかり体重を乗せることで、身体全体を大きく使ってボールを投げることが可能です。

キャッチボールが下手な人の大きな原因が、軸足にちゃんと体重を乗せられていないことなのです。

投げる前に軸足一本で立ち、重心の在りかを意識してから投げるという確認作業も重要になります。

まずは近い距離から

キャッチボールの初心者が、いきなり遠い距離で頑張る必要はありません。

まずは近い距離から始めて、動作の一つ一つを確認しながら行いましょう。

そこから徐々に距離を伸ばし、塁間くらいの距離で狙ったところに投げられるようになったら十分試合になります。

キャッチボールでまっすぐ投げられないときは

何度やってもキャッチボールが上手くならない場合は、どのような点に着目すれば良いのでしょうか?

  • 足が上手く使えていない
  • リリースポイントが分かっていない
  • フォームを鏡で確認する

多いのが、下半身が全く使えていないパターンです。

足が棒立ちのようになって、腕だけで投げているとまっすぐボールがいきません。

ボールの方向を決めているのは、実は腕ではなくて踏み出す足です。

相手にしっかりつま先を向けることを再び意識して、足の動きによって勝手に上半身がついてくるイメージで投げましょう。

また、投げ方がキレイだとしても、リリースポイントがズレていると思った方向にボールが向かってくれません。

リリースポイントとはボールを手から離す位置のことで、早すぎると高めに反れますし、遅すぎると低めにバウンドしてしまいます。

投げ方はそのままでボールを離すタイミングだけ変えてみて、狙い所との感覚を修正していってください。

それでも真っすぐボールが投げられない場合は、鏡や動画を撮影して自分のフォームを一度客観的にチェックしてみましょう。

頭で想像している身体の使い方と、実際の動きにかなりのギャップがあることも珍しくありません。

自分の投げ方を確認して、どのように矯正すればいいのか確認しましょう。

まとめ:キャッチボールは奥が深い

単に野球ボールを投げるといっても、小学生や中学生の体育の授業でもしっかり教えてくれるものではありません。

人の動きを見ただけでいきなり真似できる人は少ないので、まずは一つ一つの動作を論理的に理解してから実際に投げてみるというのも大切です。

初心者のキャッチボールは投げ方が不格好なこともありますが、一部分の意識を変えるだけでガラッと格好良く投げられることも多いですからね。

キャッチボールができれば十分試合にはなるので、野球のプレーを楽しむ第一歩として練習してみてください。




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